後遺症の種類について


1.高次脳機能障害について

交通事故を原因として、高次脳機能障害を発症することは少なくありません。
高次脳機能障害の典型的な症状は、認知障害・行動障害・人格変化と言われています。
高次脳機能障害の大きな特徴は、医学上未解明な部分が多く、また外見上通常の方と区別がつきにくい点です。

高次脳機能障害を発症した場合、1級・2級・3級・5級・7級・9級のいずれかの後遺障害等級が認められ、損害賠償額が高額になることが多いです。
安易に保険会社と示談をせず、まずは弁護士の意見を聞くべきです。
高次脳機能障害についてのページ

2.脊髄損傷について

交通事故によって、脊髄損傷を生じることがあります。
脊髄損傷の典型的な症状は、呼吸麻痺・四肢麻痺・運動麻痺・自律神経障害が挙げられます。
脊髄損傷を発症した場合、1級・2級・3級・5級・7級・9級・12級いずれかの等級が認められる可能性があります。

3外貌醜状について

交通事故によって、やけどや傷跡などが残った場合、それが後遺障害(=後遺症)として認められることがあります。
以前は、障害が同じ程度でも男性は女性より低額の損害賠償しか認められませんでした。
しかし、平成23年に男女差の解消が実現しました。

醜状障害の場合、7級・9級・12級のいずれかの後遺障害等級が認められます。

傷跡が顔面部に残った場合、

  • 鶏卵大面以上で7級
  • 長さ5センチ以上の線状痕で9級
  • 10円銅貨以上、または3センチ以上の線状痕で12級

というのが一応の目安となります。

4.可動域の制限

交通事故によって、関節の可動域の制限が生じることは少なくありません。
可動域の制限は、様々な要因によって生じます。
その代表的な物は、骨の変形障害、関節の硬直、偽関節、神経麻痺といったところです。
まずは専門家に相談し、自分の後遺障害がどの程度のものなのかを知ることを心掛けて下さい。
なお、関節の可動域の制限によって認められる後遺障害等級は、発症した部位・程度などによって大きく異なります。

5.むち打ち(ムチ打ち、ムチウチ、鞭打ち)

「むち打ち」という用語は、正確には診断名ではありません。
診断書などには、外傷性頚部症候群・頚部捻挫・頸椎挫傷と記載されていることが多いです。
むち打ちを発症した場合、画像検査(レントゲン・CT・MRI)・神経学的所見検査などが行われます。

むち打ちを発症した場合、12級・14級の後遺障害等級が認められる可能性があります。
むち打ち治療は長期化することも多いです。早期に適切な治療を受けることを心掛けて下さい。

6.死亡事故

交通事故に遭い、不幸にも被害者が死亡してしまった場合、損害賠償請求だけにとどまらず、多くの法的問題が発生します。
相続などの民事上の問題だけではなく、加害者に対する刑事責任の追及も大きな問題となります。
大切な家族を失った悲しみは、当事者にしか分かりません。
様々な法的問題に直面する内に、遺族の方は大きな不安を抱えることにもなり兼ねません。
弁護士に相談し、加害者の刑事処分についての手続きを理解するだけでも気が楽になることも多いと思います。
1人で抱え込まず、弁護士に相談するという選択肢をご検討下さい。

まとめ

交通事故によって生じる後遺障害には、多くのものが考えられます。
視力障害(失明)・聴力障害・嗅覚障害・味覚障害・PTSD・骨折・脱臼などもその例でしょう。
残念ながら、保険会社の提示する示談の金額は、不当に低いことが少なくありません。
また、心無い保険会社との交渉は非常に神経を使います。
正当な損害賠償を得るためにも、交通事故に遭った際には、弁護士に相談することを心掛けて下さい。