債権回収


はじめに

金銭支払を巡るトラブルは、日常生活上様々な形で現れます。
債務者の任意の支払に期待できない、または、債務者が約定どおりに返済を継続するか不安がある場合には、法的手段を用いて確実な回収を図ることが必要となります。当事務所には、第一線における債権回収のノウハウを持つ弁護士が在籍しておりますので、回収を諦める前に、まずは一度当事務所までご相談下さい。

詳しい内容については下記の項目をご覧ください

  1. 内容証明郵便の送付
  2. 支払督促
  3. 訴え提起前の和解(即決和解)
  4. 民事調停
  5. 通常訴訟(少額訴訟)
  6. 弁護士報酬

債権回収の方法

債権の回収を確保するための手段としては、以下に掲げる制度があります。
何が問題となっている債権について最適な回収手段であるかは、相手方のスタンスや資力、契約書の有無等、様々な条件によって異なります。

1.内容証明郵便の送付

電話や郵便で請求しても相手が支払いに応じない場合、内容証明郵便を利用して請求する方法があります。
内容証明郵便は、意思表示をした事実、内容、時期を公的に証明するものであり、請求に法的な効果はないものの、こちら側の毅然とした意思を示すことで、相手方に任意の支払を促すという心理的な効果があります。

2.支払督促

内容証明郵便が無視された場合には、支払督促という制度の利用が考えられます。
支払督促は、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てることが可能で、債権者の言い分のみを審査して発せられる点が最大の特徴です。支払督促の送達から2週間以内に債務者が異議の申立てをしなければ、債権者の申立てにより支払督促に仮執行宣言を付され、これに基づいて強制執行をすることが可能です。

支払督促を利用すれば、低コストかつ迅速に強制執行が可能となりますが、一方で、債務者が異議の申立てをすると通常の民事訴訟に移行するため、利用場面はよく検討する必要があります。一般的に、債務者が支払義務を認めつつも支払を渋っている場合には有効ですが、債務の存在自体に争いがある場合や、通常訴訟となった際のコストが大きい場合には不適切な制度であると言えます。

3.訴え提起前の和解(即決和解)

債務者との間で、支払条件等に関する合意内容がある程度まとまっている場合、当事者双方が裁判所に出頭し、裁判所において和解内容を確定することが可能です。
この手続を、訴え提起前の和解(即決和解)といいます。即決和解は、当事者の合意に基づいた解決方法であるため支払いが期待できること、及び低コストで強制執行が可能となることというメリットがあります。一方で、当事者間である程度の合意が形成されていなければ利用が出来ず、また和解期日に当事者双方が出頭しなければ成立しません。また、和解成立までに1~2カ月程度の時間が必要となります。

4.民事調停

民事調停とは、裁判所において、裁判官と2名以上の調停委員が当事者の間に入り、当事者の言い分を聴き、条理に基づいて歩み寄りを促し、当事者の合意によって実情に即した解決を図る手続です。調停期日に相手方が出頭せず、調停不成立となるリスクはありますが、当事者の合意に基づいた解決方法であるため支払いが期待できること、及び低コストで強制執行が可能となることというメリットがあります。

5.民事訴訟(少額訴訟)

以上の手続を利用しても回収が見込めない場合、裁判所に訴訟を提起して回収を図ることとなります。 民事訴訟では、互いの言い分を主張し合い、争いがある事実については証拠を提出して立証活動を行います。請求認容判決が出されれば、これに基づいて強制執行が可能です。

※少額訴訟

60万円以下の請求については、少額訴訟という、1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする簡易裁判所における特殊な訴訟手続の利用が可能です。少額訴訟は、その日に取り調べることのできる証拠を1回の期日で取り調べ、原則としてその日に判決が下されます。 電話による証人尋問も可能であること、分割払いや支払期限の猶予といった内容の判決が下されることもあること、といったような通常訴訟にない特徴があります。少額訴訟は、通常訴訟に比べ安価で迅速に判決が得られる手続です。

一方で、①債務者は少額訴訟を拒否し通常訴訟による審理を求めることが可能である、②判決内容に不服でも控訴が出来ない(通常訴訟による再審理を請求することは可能)、③同一簡易裁判所では1年間に10回までという利用回数の制限がある、といったデメリットもあります。

6.弁護士報酬【一般的な弁護士報酬から算出】

債権額 着手金(債権額) 報酬金(回収額)
300万円以下の場合 8.4% 16.8%
300万円を超え3000万円以下の場合 5.25%+9万4500円 10.5%+18万9000円
3000万円を超え3億円以下の場合 3.15%+72万4500円 6.3%+144万9000円
3億円を超える場合 2.1%+387万4500円 4.2%+774万9000円