(事例・交通事故)交通事故の被害に遭ったとき(1) 初期段階で行う3つのこと


自分とは関わりがないと思ってしまう、交通事故。平成26年中の全国での発生件数は57万件を超えています。注意を払っていても、いつ自分に降りかかってくるか分かりません。交通事故が起きてしまった直後、そしてその後は、何をすればよいのでしょうか。被害者側からの立場でまとめます。
交通事故が発生すると、主に以下の3つのステージに分けることができます。

  • ステージ(1) 事故発生直後
  • ステージ(2) 通院開始(治療中)~
  • ステージ(3) 治療終了(症状固定)~

今回は、まず、ステージ(1) で行うことについて以下述べます。

1 警察への連絡

道路交通法には、 第72条第1項において、

『交通事故があったときは、車両等の運転者は、 警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないとき は直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。』

と規定され、自動車の運転手には交通事故の報告義務が課されています。

報告を怠った場合は、『3月以下の懲役又は5万円以下の罰金』の罰則を受けることがあります。

軽い事故の場合でも、後々に身体の損傷が見つかったり、逆に相手方から損害賠償請求を受けたりと、トラブルになるケースもありますので、必ず警察へ連絡しましょう。

2 情報収集

後日、事故状況が争いとなることが多くあります。事故直後は気が動転しており、それどころではないかもしれませんが、速やかに解決するためには、落ち着いて、下記のような、できるだけ多くの正確な情報を収集しておくことが大切です。

これらの情報は、後から確認しようとしても、記憶が不確かになってしまったり、相手の言っていることが変わったりしてしまうおそれがありますので、現場でしっかりと確認して記録化しておくことが大切です。また、そもそも相手の連絡先がわからなければ後日相手方と連絡をとって話し合いを行うことさえも難しくなってしまいかねません。

  • 加害運転者の氏名、住所、連絡先
  • 加害運転者の車両ナンバー
  • 加害運転者と所有者が異なる場合、所有者の氏名、住所、連絡先
  • 同乗者がいる場合、同上者の氏名・住所、連絡先
  • 加害運転車の車両にかけられている自賠責保険の保険会社、契約者、契約番号、連絡先
  • 加害運転者の車両並びに運転者及び所有者にかけられている任意保険の保険会社と連絡先、契約者、契約番号
    ※これらは、加害運転者の車検証、自賠責保険証書、任意保険契約書等で確認が可能です。
  • 事故状況を写真やビデオに収める・加害運転者の車両にドライブレコーダーが搭載されているかを確認する。
  • 加害運転者(同乗者、目撃者等)の認識する事故状況
    ※警察への説明している内容を書き留めたり、録音機があれば、録音したりする。

3 自己の任意保険会社への連絡

事故発生後出来るだけ早く、自己の任意保険会社へ、事故発生の日時、場所、状況等を連絡しましょう。
また、事故直後の対応によって後々の補償に影響が出る場合もあります。後日、適正な補償を受けられるようなるべく早い段階で一度弁護士に相談しておくことをお勧めします。

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