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「プライバシー権の放棄」


 弁護士の最所です。

 ネット上には、様々な情報が流通しています。

 ブログなどで、自分に関する情報を自らが発信した場合、その情報が引用されたりして、予想外に拡散してしまうこともあります。

 そのような場合、自らが発信し公開したことによって、その情報に関する自らのプライバシー権を放棄したとして、新たなプライバシー権侵害は生じないと判断される可能性があります。

 もちろん、公開する範囲を限定していたのであって、それ以上に広がることについてまでも放棄していないという理論構成は可能ですが、誰もが閲覧可能なインターネットの特質を認識した上で、インターネットに公開した以上、その情報に関するプライバシー権を放棄したと判断されてしまう可能性は否定できません。

 このあたりについては、確立した判例があるわけではありませんが、プライバシー権の放棄は、あくまでも公開時に想定していた範囲に限定されるべきではないかと私自身は考えております。

 著名な人物など社会に及ぼす影響力が大きい人物については、その人の属性や過去の言動は社会の正当な関心事といえますので、公開して議論することの社会的必要性はあるでしょう。

 しかしながら、一般の方の場合、たとえその本人が自ら公開した情報であっても、その情報を本人の同意なく拡散させることに、社会的必要性があるとは通常言えませんし、むしろ、拡散させている人物は、その人物をネット上に「晒す」こと自体を目的としているのが一般です。

 ネット上で、個人を「晒す」行為は、集団での「いじめ」そのものだと、私は認識しております。

この記事は弁護士・スタッフの個人的な意見や見解であり、当弁護士法人を代表するものではありません。

        

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