報酬を受け取らないとのジャニーズ事務所の判断


 弁護士の最所です。

 ジャニーズ事務所が、今後1年間は、出演料は所属タレントにすべて支払い、芸能プロダクションとしての報酬は受け取らないと発表しました。

 この点に関しまして、本日(2023年9月14日)の読売新聞の朝刊で、私のコメントが引用されています。

 読売新聞新聞オンライン

若干補足させていただくと、

 ①責任がない所属タレントの収入の途が途絶えてしまうことは望ましいことではない。②その意味で、ジャニーズ事務所の対応は、所属タレントにとってはメリットがある。③所属タレントの立場からすると、本来支払うべきマネージメント料の支払いを免れることになるので、収入が増加することになる。④仮に移籍した場合であっても、所属タレントは、移籍先のプロダクションに対してマネージメント料の支払を行わなければならない。⑤そうすると、ジャニーズ事務所は、自らの所属タレントに高額の報酬を「支払う」ことと同じ効果を生じさせることになる。⑥それは取りも直さず、所属タレントの移籍を防止することにつながる。⑦一方、ジャニーズ事務所は、自らに金銭が流入することを理由として、広告主が離れていることから、自らに金銭が流入しないという形態とすれば、「タレントに責任がない」との世論を背景として、広告主の離脱を防ぐことが出来る。

 おそらく、上記のロジックで、結局のところは、会社を存続させるための純粋なビジネス的判断に基づく行動で、所属タレントの利益を考えた行動とは考えにくいと思っています。

 真に、所属タレントの利益を考えるのであれば、むしろ、ジャニーズ事務所は、移籍の自由、契約を解除したとしても違約金等の支払いを求めない、との行動をとるべきではないかと思います。

 未だに、ジュリー氏が代表取締役、かつ100%株主として止まっています。経営環境は何ら変わっていません。

 再発防止特別チームの提言では、「同族経営の弊害防止」が掲げられています。真に、同族経営の弊害を防止するためには、まずは、株主構成を変える必要があります。

 被害者救済という点からすると、ジュリー氏は、株式をジャニー氏から引き継いだ訳ですから、ジャニー氏の負の部分についても当然に引き継がれなければなりません。

 私は、ジャニー氏から引き継いだ株式を売却して(たとえば、ジャニーズ事務所を応援してくれるファン等にも)、売却した株式の売却代金のすべてを被害者救済に充てるべきだと思っています。売却代金を基に基金を作る等、方法はいくらでもあります。

 会社の支配の状況(株式の保有割合)を何ら変更することなく、会社は変わりましたと説明したとしても、それを文字通りに受け止める人はいないのではないでしょうか。