弁護士の最所です。
司法試験の受験回数制限を「5年で3回」から「5年で5回」に緩和する司法試験法改正案が閣議決定されました。
受験する側からすれば、チャンスが増えること自体、喜ばしいことではありますが、3回から5回になったからと言って、格別リスクが減るわけでもありませんし、5回まで受けられるから、司法試験を受験してみようとはあまり思わないのではないでしょうか。
司法試験を受験しようと考えている人たちは、一回で合格すると信じて受験するわけですし、実際にも、法科大学院を卒業してから、5年間も受験を続けるのは金銭的にも精神的にも相当大変だと思います。
受験者の個別事情を無視して、統計的にのみとらえた場合、受験回数を制限することに、一定の合理性があることは否めません。
問題は、合格できなかった人たちが、その後、別の道を歩むことができるかどうかとという点です。
法科大学院を卒業すること自体に価値があるのであれば、別の道を歩むことも容易でしょう。
しかしながら、現実はそうではない・・・。
法科大学院を卒業しても、むしろ司法試験に合格できない人の方が多数であるという現実の中で、回数制限の点のみに着目することはあまり意味がないのではないかと思っています。