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レビューサイトへの投稿


弁護士の最所です。

先日、「食べログ」を運営する株式会社カカクコムに対して、店の情報の削除と損害賠償の請求を求める訴訟が提起されたとの報道がなされました。

この点につきましては、既に、J-CASTニュースでもコメントしておりますが、本ブログでも、書かせていただきたいと思います。

ただ、私は、訴状の内容を見た訳ではありませんので、以下の見解は、一般に報道されている情報だけを基に主張している点を最初にお断りさせていただきます。

一般に、営業妨害又は名誉権が侵害されたとして、サイトに対する削除請求が認められる為には、サイト上になされた投稿によって、店側の権利が違法に侵害されたことが必要です。

「食べログ」のようなレビューサイトに「悪評」を書くということも、投稿者の表現行為ですので、その表現行為が違法と認められなければ削除は困難です。

では、いかなる場合に違法と判断されることになるのでしょうか。

違法な表現行為と言えるためには、①投稿された事実に公共性がないこと、②投稿に公益目的がないこと、③投稿された内容が虚偽であること、のいずれかが認められなければなりません。

実際のところ、レビューサイトでの投稿は、それを見る多くの人々に、ある種の生活情報を提供する行為と言えますので、公共性の点(①)が否定されることは非常に困難だと思います。

そうなると、公益目的の欠如(②)又は投稿内容の虚偽性(③)が認められなければなりませんが、投稿された事実に公共性があると判断される場合(①)には、通常公益目的が欠如している(②)ということが認められることは難しいでしょう。

現実的には、投稿された内容が虚偽である(③)として、投稿内容が真実とは異なると主張せざるを得ないと思います。

ところが、「美味しくなかった」というような個々人の主観にかかわる意見の場合には、直接的に「虚偽」性の立証を行う事はその性質上不可能であると言わざるを得ません。

このような意見や論評がなされた場合には、その意見や論評の前提となった事実そのものが虚偽であるか、その表現方法が、一般の人が見ても酷いと思える程度のものでなければ、名誉毀損や営業妨害は成立しないというのが、裁判所の基本的な考えになります。

そのため、現実的には、「美味しくなかった」というような表現があったとしても、その削除を求めることは非常に難しいというのが私の意見です。

もっとも、例えばライバル会社が営業を妨害する目的で、繰り返し「悪評」を書き連ねたような場合には、いくら主観的な表現であったとしても、②の投稿の公益目的が否定される可能性はありえます。

ただ、実際にライバル会社の投稿であることを、証拠を基に立証しようとすることは、やはり困難であることには変わりありません。

この記事は弁護士・スタッフの個人的な意見や見解であり、当弁護士法人を代表するものではありません。

        

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