クレジットカードの現金化


 インターネットでクレジットカードの現金化について検索すると、かなりの業者のホームページがヒット致します。業者のホームページを見てみると、法律事務所のホームページよりも立派な体裁が取られていて、その記載内容からは、全く問題のない商取引であるかように見えてしまいます。果たして何の問題もないのでしょうか。

まずは、消費者庁のホームページをご覧下さい。
 http://www.caa.go.jp/credit/
消費者庁は、明確に「×」と言っています。では、なぜ、問題なのでしょうか。まずは、何の為に、クレジットカードの現金化を行う必要があるのかを考えて頂きたいと思います。クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠があります。借金をするのであれば、キャッシング枠を利用して、CDからお金を借りるのが通常です。それにも拘わらず、あえてショッピング枠を利用するというのは、キャッシング枠ではお金を借りることができないからです。クレジットカード会社は、会員の収入などの情報を基に、キャッシング枠を設定しています。その設定したカード会社のキャッシング枠を越えていると言うことは、それ以上の融資は危険であるとカード会社が判断していることにほかなりません。つまり、そのままでは返済不能となる可能性が極めて高い状態にあるということになります。この状態で、クレジットカードを利用して、換金性の高い商品を購入して、売却したとします。仮にルイヴィトンのバッグを30万円で購入して、直ちに質屋に20万円で売却したとします。確かに現金としては、20万円を手に入れることになります。しかし、ショッピング枠の金利は、購入代金である30万円についてかかってきますので、ショッピング枠の金利が15%だとすると、1年後に返済すべき金額は34万5千円になります。これを、現実に手に入れた20万円を前提に金利を計算すると、72.5%もの高金利で借り入れたことと同じことになるわけです。ショッピング枠の現金化を考える時点で、返済不能となる可能性が高い状態にある訳ですから、その状態から、さらに実質的に利息制限法を遙かに越える借り入れを行って、その後に返済ができるはずもありません。そうなれば、おそかれ早かれ自己破産ということも視野に入れざるを得なくなります。では、自己破産をする場合に、換金行為が問題とならないでしょうか。破産法252条1項に非免責事由というものが記載されています。非免責事由とは、破産手続を利用しても、免責が認められない場合のことを指します。免責が認められないと、借金を返済しなければならない義務はなくならないことになります。破産法252条1項には、1号で「債権者に不利な処分」、2号で「信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利な条件で処分」、4号「浪費」とありますが、換金行為はこれらの非免責事由に該当する可能性が極めて高いと考えられるのです。実際に、裁判所での免責審尋の場でも、裁判所から、換金行為をしていないかと質問されることもありますから、裁判所としても、換金行為を問題がある行為ととらえていることは間違いありません。仮に破産手続を利用せずに債務整理を行うとしても、換金行為は、クレジットカード会社との契約に明確に違反する行為ですので、カード会社と交渉する際にも、なかなか和解に応じてくれないなどの事実上の弊害もあります。また、換金行為を斡旋する業者の中には、全く商品価値のないものを高額でクレジットカードを利用して購入させ、一定金額をキャッシュバックするというものもあります。この場合、実質的には、クレジットカード購入額とキャッシュバックの差額を、業者は立替払い金が入金されるまでの「金利」として受領していることになりますので、実態は、高利貸しに他なりません。利用者は、業者への「金利」とカード会社への金利の支払いを余儀なくされることになります。このように、クレジットカードの現金化は非常に問題のある行為と言わざるを得ませんので、絶対にやめて下さい。もし、過去にクレジットカードの現金化をされてしまった方は、破産制度においても、裁量免責という制度がありますので、諦めることなく、早めに弁護士にご相談されることをお勧めいたします。