ネット上でカネカが「炎上」しています。
会社の方でも、問題と考えたのか、トップページに会社としての見解を載せたところ、「炎上」は収まるどころか、却って、再度「炎上」する事態が生じています。
おそらく、一方的に批判されることに業を煮やし、会社としての見解を明らかにしようとしたのだとは思いますが、この内容であれば、敢えてなにもせず、掲載しない方が、良かったのではないかと思います。
仮に、裁判上、会社に対する法的責任の追及がなされている場面で、裁判所に対して、会社が自己の正当性を主張し、従業員の側にこそ問題があるのだと主張するケースであれば、理解できます。
ところが、ネット上で、会社の対応について問題視する意見が次々に出され、「炎上」状態となっている場面で、会社の対応に問題がなかったと断言してしまうことは「自分の対応は間違っていない。悪いのは批判している側だ。」という意思表示をしているとも取られかねません。
むしろ、実際にも、そう受け取られているのだろうと思います。
このような対応は、さらなる「炎上」を招いてしまいます。
会社の対応に問題がなかったと断言してしまうと、少なくとも、今回の対応について「間違った対応をしてないと考える会社」という評価を受けてしまうことになります。
具体的な事実関係は不明ですが、「転勤の内示が育休明け」になってしまったこと自体は事実としてあるようです。
そうであれば、まずは、この点について、少なくとも、時期として不適切であったことは認めるべきではないかと思います。
その上で、なぜ、このような時期になってしまったのか、その理由について説明した上で、今後は、少なくとも「転勤の内示が育休明け」にならないように、内示の方法等を見直すといった改善点を示し、その上で、会社として、社員の育児休業取得を妨害しようなどという意図がないこと、社員の生活を配慮した上で、今後も適切な対応を行うとの意思表示を行えば良かったのではないでしょうか。
当然、会社としても言い分はあるでしょう。なぜ、会社が叩かれなければならないのかといった思いも当然あると思います。
とはいえ、元従業員との間の個別の事案について、ネット上で弁明を行うことは得策であるとは思えません。
個別の事案については、深く立ち入らずに、必要な点だけを説明して、特定の社員に対する非難と捉えられる点については、敢えて、触れるべきではなかったと思います。
確かに、会社がいうように、特定の社員だけを特別扱いできないというのは、多くの社員を抱える会社としては当然のことでしょう。
しかしだからといって、
「結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません。」
と断言してしまって良いのか。この点については、再考される必要があるのではないかと思います。