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見落としがちな「金利計算」の話


弁護士の最所です。

 一般的に破産をするような人は、パチンコやギャンブルで借金が返せなくなった人であるとか、異性に貢いでしまったような人であるとか、思われているのではないでしょうか。確かに、こちらが、説教したくなるようなお客様(*ただ、私どもは、説教は致しませんから、お困りの際は、早めに弊所にお越しくださいね。)も中には、いらっしゃいますが、大抵は、ただ何となく借り入れてしまって、いつのまにか、借金が増えてしまった、そして、気づいた時には、すでに収入の多くを返済に回さざるを得なくなってしまっている、そんな方がほとんどです。

 私ども弁護士からすると、多くの方は金利の計算ができていないのだと思います。年収の3分の1を超える借金をすることができなくなる総量規制が導入された当初、そんなことをすれば、闇金に走るだけだとか言われましたが、実際に年収の3分の1を借りてしまった場合、返済額がいくらになるかを計算してみていただければ、なぜ、総量規制をすべきであるかは一目瞭然です。

 仮に、年収400万円の人が年収の約3分の1にあたる135万円を借り入れたとします。年収400万円の場合、夏・冬のボーナスを合計3か月分として計算すると、月収は26万円程の計算になります。そのうち、アパート代として約7万円、携帯電話代1万円、電気・ガス・水道代の合計で約2万円がかかるとすれば、それだけで10万円の支出になります。そのほかに、単身者であれば、昼食代で500円、夕食代で1000円として計算すると、月額4万5千円が食費で消えてしまいます。そのほかに、交通費として1万円はかかるでしょう。また、お茶代や飲み代として月に3万円程度は必要ではないでしょうか。これだけで、18万5千円になります。とすると残りは、7万5千円です。

 では、金利15%として、7万5千円を返済に回したとして、返済までどの程度の期間がかかるでしょうか。答えは、約22か月です。ほとんど2年近くかかってしまいます。しかし、月収26万円の人が7万5千円を滞りなく2年近く支払い続けるということが果たしてできるでしょうか。常識的に考えても、月額3万円程度を返済に回すのがやっとではないでしょうか。では、3万円づつ返済するとなると、どのくらいの期間がかかってしまうでしょうか。答えは、7年と11か月、約8年かかってしまいます。では、5万円づつ返済に回した場合は、どうでしょうか。その場合でも4年と11か月、約5年間も借金を返し続けなければならないことになります。

 5年間の間に何が起こるかわかりません。自分や家族が病気になるかもしれませんし、失業するかもしれません。その場合に、返済できなくなったとしても、金利は発生し続けます。そうなると、一気に返済が不可能な状態になってしまいます。要するに、年収の3分の1を超える借金をするということは、経済的に破たんする危険性の極めて高い行為なのです。

 逆に5年間毎月5万円を貯金した場合を考えてみましょう。5年間でいくらの貯金ができるかといえば、5万円×60か月=300万円です。    要するに、5万円を5年間返済し続けるということは、5年で300万円の貯金をすることと同じことなのです。    5年間で300万円の貯金をすることを考えれば、借金の返済がどれほど、大変なことであるかがご理解いただけると思います。

この記事は弁護士・スタッフの個人的な意見や見解であり、当弁護士法人を代表するものではありません。

        

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