弁護士への取材依頼


弁護士の最所です。

インターネット上で、色々と意見を主張させていただいていることもありまして、最近、取材の依頼を受けることが多くなりました。

取材のご依頼は、極力お受けするようにはしておりますが、守秘義務との関係で、なかなかお話ができないこともあります。

特に、被害に会われた方をご紹介いただきたいというご依頼につきましては、基本的にはお断りしております。

インターネット上の誹謗中傷では、弊所にご依頼されて、ようやく炎上が沈静化していたものが、報道の仕方によっては、再燃する可能性もありますので、特に慎重にならざるをえません。

19日に、日本テレビの番組で、弁護士が別人を紹介していたことが判明した、との報道がなされましたが、弁護士が虚偽の被害者を作出してしまっては、弁護士に対する信頼自体が失われてしまいます。

記者の側からすれば、弁護士がまさか別人を紹介するとは思わなかったということなのかもしれません。

番組の中には、弁護士の多くが登録しているサイトで、〇〇の取材に協力してくれる弁護士を探していますといった広報をよく行っているものもあります。

多数の弁護士が閲覧しているサイトであれば、協力してくれる弁護士を探すことは容易なのかもしれませんが、そのような募集方法で連絡してくる弁護士の中に、虚栄心の高い弁護士が含まれているであろうことは、容易に想像ができるのではないかと思います。

現場の記者の方は、上司から明日、明後日放送する予定の番組で必要だからという理由で、突然〇〇を探すようにの指示が出され、時間ぎりぎりで、対象者を探すことが求められているようです。

そんな要求を突き付けられた記者の方が、インターネットを頼るのは致し方ないのかもしれませんが、最終的には、リアルなその「人」がいかなる人物であるのかという側面を的確に判断する能力が必要とされているのだと思います。

そういった意味では、地道な取材を通して培った人の繋がりの中で、本当に信頼のできる人物を探していかなければならないのではないかと思っております。

このことは、私ども弁護士にとっても全く同様で、一つ一つの事件に真剣に取り組むことで、依頼者の方の信頼を得ていく、そして、その信頼していただいた方々との繋がりの中で、人と人との繋がりを広げていく、このことが、生の事件を取り扱う弁護士に最も求められている能力ではないかと思います。

*一部内容を訂正いたしました。2013年8月1日