弁護士の最所です。
昨日から、フジテレビ系で、連続ドラマの『SUITS』が始まりました。 弁護士が主人公のドラマは、やはり気にはなりますので、時間があれば見たいとは思っています。
ドラマですので、あまり実際のところを言っても意味が無いのかもしれませんが・・・。 TVドラマでありがち(?)な弁護士像について、少し触れてみたいと思います。
1 弁護士は、六法全書を暗記している!?
そんなことはありません。そもそも、完全に暗記することは不可能ですし、その必要もありません。
必要な場合には六法で確認すれば良いだけです。
2 弁護士は、必要があればメールを捏造する!?
当然ですが、しません。
自らが証拠を捏造することは論外ですが、捏造されたことを知りつつ、故意に裁判所に証拠として提出するようなことをすれば、懲戒事由にも該当しうると思います。
3 弁護士資格を剥奪されることはある!?
弁護士に対する懲戒処分は、弁護士会が行います。懲戒処分には、軽い方から、
1 戒告 2 業務停止 3 退会命令 4 除名
があります。弁護士は、いずれかの弁護士会に所属しないと弁護士としての業務が出来ませんので、退会命令や除名処分がなされた場合には、弁護士資格を事実上「剥奪」されることになります。
4 相手方の弁護士のスキャンダルを探したりすることはある!?
ありません。相手方代理人弁護士は、相手方の味方ですが、相手方とは全く別個の存在です。
相手方弁護士のスキャンダルを見つけたとしても、単に辞任されるだけで、早期の解決という点で全くメリットがありません。始めから、別の弁護士と交渉を始めなければならなくなります(それまでの交渉が全く無意味となります。)ので、相手方代理人に辞任されると、こちらにも不利益が生じるからです。
そもそも、相手方弁護士は相手方の利益の為に行動することが求められます。その弁護士が、自分のスキャンダルが表に出ることを避けたいので、どうにかして欲しいと自らの依頼者に頼むとは考えられませんし、仮に、そのようなことを依頼者に頼んだとすれば、依頼者から、解任されるだけです。
5 弁護士バッジはいつもつけている!?
人にもよりますが、裁判所や警察署に接見に行く場合以外での日常業務では、あまりつけてはいません。
実際のところは、こんな感じです。