弁護士の最所です。
先日、文部科学省が法科大学院をランク分けするとの報道がなされました。
とかく、ランキングそのものを嫌う文部科学省が、自ら行なわなければならない事態に陥っているということに、問題の深さを感じます。
私自身が、法科大学院出身者でもあり、また、法科大学院での教育を受けた人間としての意見としてですが、決して法科大学院教育そのものが悪いとは思っていません。
非常に教育熱心な教授や実務家の先生のおかげで、とても刺激を受けたことは事実ですし、恵まれた環境で学習できたことに、とても感謝しております。
しかし、法科大学院の中には、司法試験合格者のほとんどが授業料免除の特待生で、授業料を支払っている学生のほとんどが合格しないという法科大学院もあると聞いています。
さすがに、授業料を払っている学生が全く合格しないということになると、授業料を払う側からすれば、「詐欺」と言いたくもなるのも理解できますし、ある種の「被害者」を生み出し続ける大学院を存続させる価値があるのかと言われてもやむをえないのではないかと思います。
学生の側が努力を行うことなく、法科大学院の側のみを批判するのは筋違いであるという面は否定しませんが、法科大学院の側に構造的な問題があるとすれば、その責任を学生の側にのみ押し付けて片づけられる問題ではないと思っています。