(事例・離婚)婚姻費用の請求って?


【事例】
専業主婦で、0才の子供が1人います。結婚後、夫にモラハラを数年間受けてきました。
「お前はこんなこともできないのか」「お前には生きている価値がない」などと毎日のように言われ続け、私も精神的にまいってしまい、現在子供を連れて実家へ戻っています。 これ以上結婚生活を続けるのは難しいと考えています。
できれば離婚をしたいと思っていますが、離婚調停や離婚訴訟となると、正式に離婚が決まるまでしばらくかかると聞きました。
養育費などはきちんと書面で交わしたいと思いますが、それよりも以前に、子供がまだ小さくて私が働きに出ることができないので、養育費の支払いが始まるまでの生活ができないのでは、と不安です。
子供がある程度大きくなり、私自身が働いて収入を得るまで離婚を我慢するしかないのでしょうか。

「婚姻費用の請求」ができます

夫婦にはお互いに扶助義務があり、分担する必要があります。
収入が多い方が、無職や収入の少ない方に「双方が同レベルの生活が送れる」だけの婚姻費用を渡します。
これを「生活保持義務」と言います。
この義務は、別居中であっても、夫婦である限り、つまり離婚の話合いの際中でも、夫婦関係が悪化している状態でも、原則なくなることはありません。 そのため、別居時に、収入の多い配偶者から婚姻費用の請求をすることができます。

こちらのケースの場合はすでに別居をされており、相談者は現在専業主婦で収入がないとのことですので、相談者は夫に対して、婚姻費用の請求することができます。

「婚姻費用」とは

結婚生活に必要な生活費のことを言います。

  • 衣食住の費用
  • 出産費用
  • 医療費
  • 子供の養育費
  • 子供の教育費
  • 相当と認められる交際費

などが含まれます。
つまり、離婚後に毎月支払われる養育費(※1)等とは違い、あくまでも離婚までの間(夫婦である間)の生活のための費用になります。
※1 養育費は毎月支払う方法の他に一括で支払う場合もあります。

婚姻費用の分担額は、夫婦間の合意で決定されるのが普通ですが、協議で決まらない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担請求の調停を申し立てて決めてもらいます。合意が成立しなければ婚姻費用分担請求の審判手続きに移行します。

婚姻費用の分担額については、当事者の収入額や、子供の人数・年齢等によって算定されます。
婚姻費用の調停・審判では離婚原因や夫婦原因の破綻の責任等には原則として立ち入りません。
相手が浮気をしたから、などの離婚原因を理由に婚姻費用が増減することは原則としてありません。

養育費又は婚姻費用算定表は、東京家庭裁判所ホームページから見ることができます。

裁判所|養育費算定表

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