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交通事故の基礎知識

① 示談交渉を始める時期

示談交渉は、損害額が確定してから始めるのが原則です。
また、死亡事故においては、遺族の感情が落ち着いてから始めるのがよいでしょう。

そこで、

 ・傷害が発生した場合には、完治した後
 ・後遺症が発生した場合には、症状固定の後
 ・物損が生じた場合には、損害の見積もりが出た後
 ・死亡事故の場合、四十九日の後

に示談交渉を始めるのが一般的であると言えます。

② 賠償額の3つの基準

損害賠償意の算定には、物的損害のほかに、慰謝料や逸失利益なども含まれるため、非常に複雑な作業になります。
そこで、これらを迅速かつ公平に処理するために、以下のような算定基準が設けられています。
なお、自賠責基準→任意保険基準→弁護士会基準の順に基準額は大きくなります。

 ・自賠責保険基準  自賠責法に明記されている支払基準。
 ・任意保険基準   損害保険各社の支払基準。一般に公表されていない。
 ・弁護士会基準    弁護士会が過去の判例を参考にし、損害額を基準化したもの。
  
被害者としては、損害基準額が最も高くなる弁護士会基準で計算し、請求していくことになります。

但し、弁護士会基準とは、裁判になれば必ず認められるといったものではなく、あくまでも目安にすぎません。
それでも一般的に、任意保険基準よりは高額になるケースが多いと言えます。

③ 請求の相手方

以下の者に対し、損害賠償を請求することになります。
もっとも、多くの場合加害者は保険に加入しているため、当該保険会社の担当者や、代理人(弁護士)と実際には交渉することになります。

 ・事故を起こした加害車両の運転者(不法行為責任 民法709条)
 ・加害車両の運転者の使用者(使用者責任 民法715条)
 ・運行供用者(運行供用者責任 自賠責法3条)
  → 自動車を所有している人や使用する権利を持っている人、運転を行わせることにより利益を得る人のこと

④ 請求できる損害

大きく分けて、積極損害、消極損害、慰謝料に分けられます。

 ・積極損害 交通事故にあわなければ被害者が支払う必要のなかった費用
 ・消極損害 交通事故にあうことによって失われてしまった将来の利益
 ・慰謝料  精神的・肉体的苦痛に対して支払われる賠償金

【積極損害】
 ・治療費(病院などの医療機関に支払った費用)
 ・付添看護費(医師の指示がある場合に支払った付添費用相当額)
 ・入院雑費(入院中に発生した日用品の購入費や通信費等)
 ・通院交通費(入院、転院、退院、通院するために要した交通費)
 ・葬祭費用(被害者が死亡した場合の葬儀代等の諸経費)
 ・装具費用・家屋改造費用(後遺症発生の際の義足代や家屋の改造費用等)
 ・自動車の修理費用(修繕費や買換え自動車購入費用)
  
【消極損害】
 ・休業損害(傷害を負って仕事を休んだために得られなかった賃金や収入)
 ・逸失利益(交通事故により失った、将来得られるはずであった収入)

⑤ 請求できる期間(時効)

通常、交通事故時に加害者について知ることになるため、損害賠償請求権の時効は、交通事故時より起算されます。
ただし、治療が長期化した場合や後遺症が発生した場合には、治癒と診断された時ないし症状固定時より時効は起算されます。

 ・加害者に対しては、加害者が判明した時(交通事故時)から3年
 ・保険会社に対しては、交通事故により損害を受けたときから2年